2024年5月14日火曜日

重力加速度計を試してみる

 はじめに

 重力加速度計の全体が完成したので、実際に動かしてみることにした。

動作テストは、次に示す説明図dの環境で行った。

落下テスト




テスト手順

1)鉄球を電磁石にくっつける

2)Start SWを押す

3)電磁石をオフにする
        鉄球が落下する

4)結果がLCDに表示される


テスト結果

表示される重力加速度値が大きいようだ

 問題点1; 表示される重力加速度値 g が大きめに出る

    仮説: センサーの検出時間が、適切でないのでは

        結果:オシロでみる限り、鉄球の落下に対応して検出されている
              

 気づいたこと:
                自由落下装置のセンサーを眺めていて、ふと思った。

                鉄球の静止位置とセンサー1(落下開始)の位置は、
                どうなっているのか>

                改めて、よく観察してみると、電磁石の下端とセンサー1との
                間がかなり空いている。

                これでは、落下時間が短く計測されてしまう。


 対策1:センサー1の信号の代わりに電磁石のオフ信号を
                  落下開始信号とするように変更した。

               結果:それらしい 重力加速度値が表示された。


 問題点2; しばらくテストを繰り返していると反応しなくなる

    仮説:PIC16F1705が壊れたのかな


        対策2:PICを交換してみた


         結果:動くようになった。しかし、しばらくすると

                    また、同じように反応しなくなた。

問題点3; テストをしているとPICが壊れるようだ

    仮説:電磁石のオフ信号が過大なのでは?

                PIC16F1705の入力ピンをオシロデみてみると

                 +8V位、250μsec幅のパルス入力が見られた。

                負側は、クランプダイオードを入れていたので、-0.5vだった。

                明らかに過大入力。これでPICの入力ポートが壊れた。

    対策:

                入力に +側もクランプダイオードを追加。さらに1/2抵抗分圧も入れた。

      結果:
                入力ピンをオシロで見ると約2V強ぐらいになった。
                
                しばらく、落下テストを繰り返しても、PICが反応しなくなることは
                なくなった。


入力ポート対策後のテスト結果


落下テストの結果を表にまとめる


        左側の g表示、落下時間は、LCD表示の値

        右側のGは、NUMBERSを使って落下時間からg値を計算した値

        PICの計算結果とNUMBERSの計算結果には、大きな差は見られなかった。


まとめ

国土地理院の重力値推定計算を使い、東京の推定重力値を計算してみた

得られた値は、979787.9 mGal

m/sec^2に変換すると
                9.797879 m/sec^2


今回試作した装置の10回平均値の値は、
                 9.7803 m/sec^2

上の値を見ると、有効桁3桁程度が得られているようです。

手作り重力加速度計としての結果としては、満足いく値です。



また、落下時間の標準偏差値は、 1.27msec なので

有効数字3桁程度の落下時間値が得られているようだ。


期待した結果が得られたので、これでよしとする。






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