はじめに
hp50gには、CALCメニューの中に
マクローリン展開、テーラー展開の関数が
組み込まれています。
この関数を使うと、多項式展開を簡単に
行うことができます。
ここでは、多項式展開の使い方を説明するだけですので
マクローリン展開などの詳しい説明を知りたい場合は
数学の本の微分の解説を参照して下さい。
hp50gの多項式展開関数の使い方
マクローリン展開、テーラー展開の
スタック設定のパラメータの内容は、
次の説明図を見て下さい。
マクローリン展開関数は、パラメーターとして
関数式を設定するだけ簡単ですが、
展開式は、5次までと制限があります。
もっと次数が必要な時は、
テーラー展開関数を使うことで対応可能。
初等関数の展開結果
マクローリン展開を使って、
Sin x, cos x, log (1 + x), e^x
展開してみた。
近似式の誤差
関数f(x) は、
多項式を無限大に展開することで実現されますが
展開式を途中で打ち切ると、
それ以降の項が誤差となってきます。
例えば、
5次の多項式で打ち切ると
6次から無限大までの項が誤差となる。
この誤差の項は、剰余項と呼ばれていて
剰余項は、いくつもの評価式があります。
簡単に誤差を評価するやり方もあります。
それは、打ち切った項の最初の項を計算して
凡その値を求めてみることです。
打切り誤差の計算例
5次の項で打ち切ったとすると、
1)6次の項の大きさを計算して、
誤差を確認してみる。
2)計算値が満足いく範囲なら、
この近侍式でよしとする
3)もし、足りなければ、
近似式の次数をあげて
再度計算してみる。
誤差の計算例
関数:sin x
次数: 5次
範囲: x = π / 2
グラフで誤差を確認
グラフを使って sin x と 近侍式の誤差
の関係をみてみる
5次項の場合
7次項の場合
まとめ
Hp50gでは、
マクローリン展開、テーラー展開関数を使って
初等関数の近侍式を求めることができます。
組み込み用の関数の近侍式を求めることに、
使えそうです。
数学の本の微分の章あたりの、
問題で関数 f(x)のマクローリン展開を求めよ
などの問題の検証にも使えそうです。




